「3月のライオン」11巻の感想です!

11巻でついに登場したあかりたち姉妹の父親・誠二郎。

不倫をして家族を捨てた男で、本当にとんでもないやつですが、
不思議なことに「正真正銘の悪党」という雰囲気ではないのです。

どこか天然というか空気が読めないというか、可愛げがなくもない男なのです。

言動はひどすぎて、本当に腸(はらわた)煮えくり返っちゃうような男なんですけどね。

 

1.虚言癖のあるヒーロー

2.見る角度によって、物語の色は全く違う

3.脇役のその後

 

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▼ 虚言癖のあるヒーロー

誠二郎は、何も考えずにその場限りでペラペラと物を言うタイプ。

だから、その場その場で一番通りそうな話をうまく作って、
自分が悪くないように持っていこうとします。

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不倫相手にも、きっとあかりたちの母親のことを悪く言っていて、

「奥さんひどい!私なら、あなたをそんなに悲しませたりはしないのに・・!!」

と同情から愛情へと持っていった可能性があります。

 

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そして、家に帰ればまた違った話をして、
自分に都合のいいように話をまとめていたのです。

そして、不倫相手の前で、精一杯ヒーローを演じるうちに、
自分でも本当にそうなんじゃないかと思い込んで、あかりたちの家族が悪者、
そして不倫相手が守るべき相手
だと思うようになっていったのだと。

 

▼見る角度によって、物語の色は全く違う

だから、あかりたちサイドから見れば、誠二郎は家族を捨てた悪い父親で、
不倫相手は家庭のある男に手を出した悪い女なのかもしれませんが、
本人たちにとっては純粋な真実の愛だったのかもしれません。

ドラマだって、描いている主人公二人にとっては最高のラブストーリーでも、
フラれている側の人間を主人公にして同じ話を書いたら、
ものすごく悲しい物語になっちゃいますもんね。

 

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でも、現実は全ての人が、自分が主人公の人生を生きているのですから、
本当に難しいところですよね。

 

▼ 脇役のその後

悲劇のドラマ主人公にでもなってしまった誠二郎は、

「真実の愛を手に入れるためなら、何を捨ててもかまわない!!」

などと思っちゃったんでしょうね。

急に悲劇のラブストーリーにチャンネルが変わったら、
今までのホームドラマで主人公を演じていたあかりたち家族が脇役に回ってしまって、
誠二郎と不倫相手のハッピーエンドのために、フェードアウトしなければならなくなってしまったのです。

 

でも、ドラマはそれで脇役の出番は終わりだけれど、
現実のあかりたちの生活はそこからもずっと続き、
苦しみのドラマはずっと終わらないでいたのです。

あかりの言葉によると、父親は

「まっすぐで、かわいくて、みにくくて、どうしようもない」

と語られていますが、

家族を捨てた最低の父親だけれど、
そのまっすぐなところや、可愛げのあるところも、あかりは見てきたんですよね。

大好きだった頃のお父さんの記憶があるから、余計に辛いですよね。

 

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でも、本当に「どうしようもない」父親です。

決別することを選んでくれて、やっとこの呪縛から解き放たれるのではないでしょうか?

今度は、捨てられた父親を、こっちから捨ててやったのです。

そうして、あかりたちはまた前に進み始めることができるでしょう。

あかりたちの新しいドラマ、今度はハッピーなラブストーリーになるかな?

つぎの主演はひなと零でね。